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【症例】【歯茎が下がってきてしみる→結合組織を用いた根面被覆術】

こんにちは。

千葉県柏市にあるイオンモール柏の国道6号線向かいの歯医者、ウィズ歯科クリニックの歯科医師小澤です。  

 

冷たいものを口に含んだ時にキーンとしみてしまったり、歯ブラシの時にしみてしまってしっかりとブラッシング出来なかったり、いわゆる知覚過敏に悩まされて来院される方も少なくありません。

 

知覚過敏の原因には虫歯や歯周病、はぎしりくいしばりなど様々なものがあり、しっかりと診断したうえで処置をする必要があります。

 

その中でも歯茎がやせてしまう歯肉退縮によって知覚過敏を起こしているケースも時々見かけます。

 

この歯肉退縮の中には下がった歯茎を元に戻すことが可能な症例もあることをご存じでしょうか?

 

 

 

歯肉のリカバリーが出来る重要な条件としては、

 

・骨吸収を起こしていない

 歯周病が進行していて歯肉の支えとなる骨がない場合は移植をしても生着せずに、逆にさらに下がってしまうリスクがあります。

 

・隣の歯との間の歯肉が下がっていない

 歯間乳頭といいますが、隣の歯との間の歯肉に隙間が出来ているとしっかりと歯肉を回復させることが出来ません。

 軽度の退縮であれば100%ではないですがある程度の回復は見込めます。

 

今回のケースではそれぞれ条件を満たしていたので、右上、右下、左下の側切歯と犬歯を3回に分けて行いました。

 

術式としては上顎口蓋側から結合組織を採取し、退縮部位に移植し、さらにその歯肉を引き上げて歯根露出部をカバーして縫合します。

 

上顎の採取部位はシーネというマウスピースのようなものを入れて1週間程度保護しておき、移植部に関してはやや長めの固定が必要になるので2週間後に抜糸をします。

 

また術中はルーペやマイクロスコープを用いた拡大下での手術になるので、トンネリングテクニックといわれる袋状に歯肉を開く術式を第一選択としているため、大きな切開等は加えません。

 

そのため術後の腫れや痛みも従来のものより比較的少なくなっているのと、一番のメリットは切開による瘢痕がほとんどないことです。

 

 

写真を見ていただいても傷跡がないのがわかると思いますが、よく行われる犬歯付近は審美領域になるため非常に大きなメリットとなっています。

 

またこの結合組織移植ですが、他にもブリッジのダミーの部分に入れて歯肉のボリュームを出したり、前歯部インプラントの二次手術時に一緒に行われることがあります。

 

 

 

特に前歯部インプラントのときには、抜歯によって硬組織である骨と軟組織である歯肉が失われてしまっていることが多いです。

 

このため天然歯のように見せるため、また長期的に安定したインプラント治療を行うためにこの結合組織移植を併用することが多いです。

 

インプラント治療を行う医院は増えましたが、歯周形成外科処置を行っている医院はあまり多くありません。

 

長期的に安定した治療のためにはこの歯周形成外科処置のスキルは必須で、必要に応じて説明と選択をしていただくことが大切だと考えています。

 

セカンドオピニオンも受け付けていますので、歯肉退縮でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

 

合わせて一読ください。

下がった歯茎に『根面被覆術』

https://www.with-dc.com/info/post-594/

 

 

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