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【症例】外科処置に対して苦手意識があった患者様に対してインプラント治療を行った症例

症例写真

治療前

治療後

症例の詳細

治療内容

下顎左側第二大臼歯部:インプラント治療

患者様の状態・要望

下顎右側第二大臼歯は数年前に他院にて抜歯済み。欠損部はその後そのままとなっていた。患者様と欠損部の治療法について相談したところ、インプラント治療をしていくこととなった。

治療費用

\330,000~

治療期間

約4カ月

注意事項(主なリスク・副作用)

・痛みや出血、腫れ→フラップレスインプラントにより限りなく抑えることが出来る。
・下歯槽神経麻痺→術前のCT検査よりリスクを限りなく抑えることが出来る。

治療概要

患者様は40歳代男性。数年前に他院にて下顎左側第二大臼歯(以後、左下7番と表記します)の歯根破折を指摘され抜歯しました。欠損部は左下の親知らずを抜歯しないとインプラントや入れ歯などの治療は行えないと診断を受けたそうです。患者様としては現在の状態でも特に食事に困っていなかったため、あえて痛い思いをして親知らずを抜歯してまで欠損部の治療を行いたくないと考えていたそうです。その後、特に問題なく過ごしていたものの、今回左下の親知らずに痛みが出現するようになり、今回は親知らずの抜歯の相談で当院に来院されました。その後、患者様と相談した上で左下の親知らずは抜歯しました。親知らずの抜歯後、左下7番の欠損部に対して補綴治療が行えるようになったため、再度患者様と治療方針について相談しました。当初は、患者様としても前述した通り、左下7番を抜歯した後も、特に食事に困る事はなかったため、補綴治療を受けるべきか悩んでおられました。そこで抜歯した歯の部分をそのまま放置していると次のようなデメリットがあることを患者様に説明させていただきました。

1.左上7番が挺出してしまう

今回は左下7番と元々噛み合っていた左上7番が本来の位置より下方向に動いてしまい、かみ合わせが変わってしまう可能性があります。

2.左下6番に負担がかかる

 左下7番の欠損状態が続くことで手前の歯の左下6番に負担がかかり、長い目でみると壊れてくる可能性があります。特に左下6番が失活歯(神経が残っていない歯)の場合、歯が枯れ木と同じような状態となり、負担がかかることで歯の根っこにひびが入ったり、割れてしまう可能性があります。そうした理由より万が一左下6番が抜歯となった場合、食事に最も使用する奥歯を2本失うことになってしまいます。

 

今回の患者様の場合、幸い左下6番は生活歯(神経が残っている歯)であったため、比較的早期に左下6番が壊れてしまう可能性は低かったものの、患者様の年齢(40)1020年スパンで考えた時にこのまま放置の状態であると左下に不安が残る事を説明させていただきました。その上で左下7番の欠損に対する治療法としては、両隣の歯がないことから、ブリッジの治療は適応外となり、選択肢は入れ歯かインプラントとなりました。入れ歯の場合、保険適応でも治療は可能ですが、人によっては違和感が強かったり、食事の度に外して掃除をしなくてはならない。また、手前の歯や他の歯にバネをかけることで負担がかかり、歯周病が進行しやすくなったり、23年で再作製が必要になるなどのデメリットがあります。

一方、インプラントは保険適応ではないものの、ご自身の歯と同じように使えることから違和感がなく、他の歯に負担をかけることがないです。また、メンテナンスに通っていただくことで半永久的に長持ちするといったメリットがあります。患者様としては親知らずの抜歯を経験されていたことから、インプラント治療に対して外科的な侵襲や術後の症状に不安があったようですが、術前にCTで分析することで解剖学的なリスクを最小限に抑えることができ、また今回の場合、フラップレスインプラントの適応であり、歯肉を切らずにインプラント治療が行えることから術後の腫れや痛みに対しても最小限に抑えることが出来ることから、親知らずの抜歯後のような症状が出現する可能性は限りなく低いことを説明しました。以上より、左下6番に負担をかけず、かつ今後も左下でも安心して食事を楽しめる治療法としてはインプラント治療がベストな治療法とご提案させていただき、左下7番の欠損部に対してインプラント治療を行っていくこととなりました。

          

治療詳細

まずCTのデータより3Dにてインプラントの埋入ポジションのシミュレーションを行いました。インプラントの埋入ポジションの原則として解剖学的な条件である下顎管より2㎜以上離すことや左下6番より1.5㎜以上離すこと、頬舌的な骨の厚みを2㎜以上残すこととされています。これらの原則を元にインプラントの埋入ポジションを0.1㎜単位で調整し、サージカルガイドを作成しました。

今回の患者様の場合、インプラントの直径が4.3㎜・長さは11㎜が適切と判断し、術当日はサージカルガイドを用いてフラップレスにてインプラントの埋入を行いました。

その後、3か月程インプラントが骨と結合するまで待時期間を設けて、土台と被せ物の治療が完了しました。

治療後の様子

患者様からはインプラント埋入後の術後の痛みは親知らずと比べ物にならないほど少なかったとのお声をいただきました。その後インプラントが骨に結合する待時期間中に他の虫歯の治療を行いましたので、土台と上部構造のセットをもってメンテナンスに移行しました。患者様には虫歯の治療もインプラントも術後のメンテナンスが最も大切であることを再度お伝えした上で治療が終了しました。

 

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ドクターのコメント

小川 泰宏

小川 泰宏

こんにちは!イオンモール柏の向かいにございます、ウィズ歯科クリニックの歯科医師の小川です!

当院のフラップレスインプラントは今回の患者様のように抜歯処置を経験されて、外科的な処置に対して不安感を抱いている患者様にとっては、痛みや腫れを最小限に抑えることが出来る治療法であります。加えて下歯槽神経麻痺や下歯槽動脈の損傷といった解剖学的なリスクも同時に抑えることが出来る方法であります。私もそうですが、人間なら誰しも痛みを感じることを避けたいはずです。これからもインプラント治療に関わらず、極力患者様に術後の症状を抑えることが出来る方法や最新機器の情報を医院全体で定期的にアップデートして患者様一人一人に提供できるよう日々研鑽していきたいと思います!最後までお読みいただきありがとうございました!