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【症例】前歯部に対してインプラント治療を見据えてGBR(骨造成法)を行った一症例

症例写真

治療前

治療後

症例の詳細

治療内容

上顎前歯部:GBR法(骨造成法)

患者様の状態・要望

上顎両側1番は歯周病の進行により高度な歯槽骨の吸収および前突を呈していたため、保存不可能と診断し抜歯した。
欠損部に関して、患者様はインプラント治療を希望されたが、歯周病により歯槽骨や歯肉が吸収してしまい、失われた歯槽骨や歯肉を回復し審美性と機能性を確保した状態でインプラント治療を行っていくためにGBR法(骨造成法)を提案し、了承を得たため処置を行っていくこととなった。

治療費用

5~11万円

治療期間

約4~6か月

注意事項(主なリスク・副作用)

・術後に腫れや痛み、上唇に青あざが出る可能性がある
・骨造成量が十分ではない場合2回法となる可能性がある

治療概要

患者様は60歳代女性。上顎両側1(以後♯1112と表記します)のぐらつきと前突感(出っ歯)を主訴に来院されました。

X線検査より♯1112は歯周病の進行により歯槽骨の吸収が顕著であり、保存不可能と診断し抜歯を行い、その後、欠損部の治療に対してBrや入れ歯、インプラントで説明させていただいたところ、患者様はインプラント治療を選択されました。

この患者様の場合、♯1112が抜歯適応となるまで歯が傷んでしまった原因としては、右上の奥歯を抜歯して、欠損状態が長く続いてしまったため、噛み合わせの荷重が前歯方向にかかってしまい、長い年月をかけてぐらつきが出てきてしまったと考えられます。

1112は歯周病により歯槽骨および歯肉が失われていたため、被せ物の審美性や機能性を考えるとインプラント治療を行っていくには歯槽骨造成術の一方法であるGBR法を行う必要があると考え患者様に提案させていただきました。

 

GBR(骨誘導再生療法)とは~

骨欠損部にコラーゲン膜(バリアメンブレン)を用いて歯肉が入り込むのを防ぎ、骨が再生する空間を一定期間確保し、確保した空間には骨補填材を填入することにより、歯槽骨を再生する骨造成法です。

【メリット】

・失われた歯槽骨や歯肉を再生できる

・インプラントに装着される被せ物の審美性や機能性、清掃性が確保される

・インプラントの長期安定につながる

【デメリット】

・骨量が大きく不足している、または骨造成が上手くいかない場合は2回に分けて行う可能性がある

・再生した骨が周りの骨となじむまで時間がかかる(46か月)

 

GBR法については上記のように患者様に説明させていただいた上で、処置を行っていくこととなりました。

治療詳細

歯肉の切開剥離後、骨面の軟組織を丁寧に除去した上で、骨補填材とコラーゲン膜を覆い包む目的で剥離した歯肉に対して減張切開と呼ばれる切開を加えました。その後骨欠損部に骨補填材を填入し、骨補填材の周りをコラーゲン膜にて覆い包みました。その上で歯肉を元の位置に戻した上で縫合しました。

治療後の様子

今回は外科的な処置にはなりましたが、術中は特に痛みを感じることはなかったとおっしゃっていただきました。

術後はやはり腫れが強く出ていましたが、患者様自身大きな外科処置が終わってホッとしたとおっしゃっていました。

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ドクターのコメント

小川 泰宏

小川 泰宏

前歯部は他部位と比べて特に審美性が重要視される部位であると思います。インプラントの長期安定を図る上ではGBR法などのインプラント関連処置が必要となってきます。

これからも、インプラント治療に関わらず、常に最新技術の知識と技術の習得に努めたいと考えています!

最後までご覧いただきありがとうございました!