子どもが歯磨きのときに痛がるのはなぜ?虫歯以外にも原因はあるの?

皆さん、こんにちは!イオンモール柏の向かいにあるウィズ歯科クリニックの日本小児歯科学会専門医の根本です。
「子どもが歯磨きのときに痛いと言う」「仕上げ磨きを始めると急に顔を背ける」といった様子があると、むし歯を心配する保護者の方は多いでしょう。しかし歯磨きのときに痛がる原因は、むし歯だけではありません。歯茎の炎症や口内炎や歯の生え変わり、磨く力の強さなども関係します。今回はお子さまが歯磨きで痛がる原因とご家庭での対応方法や歯科医院を受診した方がよい目安をわかりやすく解説します。
子どもが歯磨きのときに痛がる主な原因

◎むし歯によって歯がしみたり痛んだりしている
子供が歯磨きのときに痛いと訴える場合、まず考えられる原因のひとつがむし歯です。初期のむし歯はほとんど症状がないこともありますが、進行して歯の内側に近づくと、冷たい水や歯ブラシの刺激でしみたり、痛みを感じたりすることがあります。奥歯の溝や歯と歯の間、歯茎に近い部分などは汚れが残りやすく、見た目だけでは変化に気づきにくい場所です。
「歯磨きのときだけ痛がるから大丈夫」とは限りません。食事のときにも痛がる、片側だけで噛む、冷たいものを嫌がる、歯に黒色や茶色の部分が見られるなどの変化がある場合は、むし歯やお口の中にトラブルが起きている可能性があります。気になる症状が続くときは、早めに歯科医院で診てもらいましょう。
◎歯茎に炎症が起きている
お子さまの歯茎が赤く腫れている場合は、歯肉炎によって歯ブラシが触れたときに痛みや出血が起こることがあります。歯と歯茎の境目に歯垢が残ると炎症が起こりやすく、健康な歯茎よりも刺激に敏感になります。子どもの歯磨きで出血すると、保護者の方が驚いて磨くのをやめてしまうことがありますが、汚れが原因の歯肉炎では、清掃が不十分な状態が続くとかえって炎症が長引くことがあります。
ただし、強い力で磨いたために歯茎を傷つけて出血しているケースもあります。出血が続く、腫れが目立つ、触れなくても痛がる場合は、小児歯科で原因を確認することが大切です。
◎口内炎や小さな傷ができている
頬の内側や唇、舌、歯茎などに口内炎ができていると、歯ブラシの毛先が触れただけでも強く痛むことがあります。また硬い食べ物で粘膜を傷つけたり、自分で頬や唇を噛んでしまったりしたあとも、仕上げ磨きの刺激を嫌がることがあります。
口内炎は数日から1~2週間ほどで落ち着くことが多いものの、大きな口内炎が繰り返しできることや発熱を伴う、食事や水分が取れないほど痛がる場合には、歯科医院や小児科への相談が必要です。
◎歯の生え始めや生え変わりで敏感になっている
乳歯が生える時期や永久歯への生え変わりの時期には、歯茎がむずむずしたり、押されるような違和感が出たりすることがあります。特に永久歯が歯茎を押し上げながら生えてくる時期は、その周囲が一時的に敏感になることがあります。
また、抜けそうな乳歯に歯ブラシが当たると痛みを感じることもあります。ぐらついている歯の周囲は、無理に強くこすらず、毛先を細かく動かして汚れを落としましょう。
仕上げ磨きで痛がる・嫌がるときに見直したいこと

◎磨く力が強くなっていないか
仕上げ磨きで痛がる原因が、病気ではなく磨き方にあることも珍しくありません。きれいにしようとするあまり歯ブラシを強く押し当てると、歯茎や粘膜に負担がかかります。特に上の前歯の中央付近や奥歯の頬側は、唇や頬を引っ張りながら磨くため、力が入りやすい部分です。
歯ブラシは鉛筆を持つように軽く持ち、毛先が大きく広がらない程度の力で動かします。大きくゴシゴシ動かすより、小刻みに動かす方が細かい部分を磨きやすくなります。お子さまが「そこが痛い」と示した場所は、いったん止めて口の中を明るい場所で確認してください。強すぎるブラッシングは歯茎を傷つける可能性があるため、力加減を見直すことも重要です。
◎歯ブラシの大きさや毛の硬さが合っているか
お子さまの年齢や口の大きさに合わない歯ブラシを使うと、奥まで入れにくかったり、歯茎に毛先が当たりやすかったりします。仕上げ磨きには、保護者が操作しやすい小さめのヘッドの歯ブラシが適しています。歯茎に炎症があり出血しやすい場合には、状態に応じてやわらかめの毛を選ぶこともあります。
毛先が開いた歯ブラシは狙った場所に当てにくいため、交換も必要です。歯ブラシの種類に迷う場合は、定期検診の際に実際に使っているものを持参すると、そのお子さまに合った選び方や動かし方の説明を受けやすくなります。
◎「痛い」と「嫌」を分けて考える
仕上げ磨きを嫌がるからといって、必ずしも口の中に痛みがあるとは限りません。眠い、遊びを中断されたくない、口を長時間開けるのが嫌、押さえられるのが怖いなど、気持ちの問題で拒否することもあります。一方でそれまで問題なくできていた仕上げ磨きを急に嫌がるようになった場合や、決まった場所に歯ブラシが触れたときだけ泣く場合は、痛みが隠れている可能性があります。
無理に押さえつけて続けると歯磨きそのものへの抵抗が強くなることがあります。
そのため短時間で終えることや痛くない場所から磨く、できたことを褒めるなど、お子さまが受け入れやすい方法を探していきましょう。
痛がるときの家庭での対応と小児歯科を受診する目安

◎まず口の中を明るい場所で確認する
歯茎のお痛みや歯磨きのときに出血するといった症状がある場合は、まずお口の中に異常がないか確認しましょう。歯茎が赤く腫れていないか、口内炎ができていないか、乳歯が大きくぐらついていないか、歯が欠けていないかなどを見てみてください。
ただし、痛む場所がはっきりしない場合は、無理に何度も触って確認する必要はありません。
また「いつから痛むのか」「どのあたりが痛むのか」「歯磨きや食事など、どのようなときに痛むのか」を記録しておくと、受診時の診断に役立ちます。痛みが出るタイミングや食事との関係などを保護者の方が把握しておくことで、原因を確認するための手がかりになります。
磨ける部分は普段どおりやさしく清掃し、強く痛む場所を何度もこすることは避けます。自己判断で市販薬を長期間使うのではなく、症状が続く場合は原因を調べてもらいましょう。
◎痛みが続く場合は早めに受診する
歯磨きのたびに同じ場所を痛がる、歯茎の腫れや出血が数日続く、食事でも痛がる、夜に痛みで目を覚ます、頬まで腫れてきたといった場合は、早めの受診をおすすめします。転倒などで歯をぶつけたあとに痛みが出た場合も、見た目に異常がなくても歯や周囲の組織が傷ついていることがあります。
特に顔が大きく腫れる、発熱を伴う、口が開きにくい、飲食が難しいなどの症状がある場合は、放置せず速やかに医療機関へ相談してください。
◎痛くない仕上げ磨きを身につけることも大切
仕上げ磨きは、お子さま自身では落としきれない汚れを保護者が補うために大切です。日本小児歯科学会も、自分で十分に磨けるようになるまでは保護者によるサポートが必要としています。毎日続けるものだからこそ、「しっかり磨くこと」と同じくらい「痛くしないこと」も重要です。
小児歯科では、むし歯の有無だけでなく、歯茎の状態、歯の生え変わり、噛み合わせ、磨き残しなども確認できます。仕上げ磨きで痛がる、嫌がる状態が続く場合には、歯ブラシの当て方や姿勢についても相談してみてください。家庭だけで解決しようとせず、定期的な受診を通して、その時期のお口に合ったケアを身につけていきましょう。
まとめ
お子さまが歯磨きのときに痛がる原因には、むし歯だけでなく、歯茎の炎症、口内炎、歯の生え変わり、強すぎるブラッシングなどがあります。特定の場所を繰り返し痛がる、出血や腫れが続く場合は、早めに小児歯科へ相談しましょう。
毎日の仕上げ磨きは、強くこするのではなく、年齢やお口の状態に合った歯ブラシでやさしく行うことが大切です。
ウィズ歯科クリニックでは、お子さまのお口の状態や年齢に合わせて、痛みの原因を確認しながら診療を行っています。歯磨きの際の痛みや出血など、気になる症状がある場合はお気軽にご相談ください。無理なく歯磨きを続けられるよう、ご家庭でのケアについてもお伝えしています。
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