【症例】インプラント治療を検討していたが、親知らずの移植を選択した症例

症例写真

治療前

治療後

症例の詳細

治療内容

左上6番:左上8(親知らず)の移植

患者様の状態・要望

他院にて左上6番は保存不可能と診断を受け、抜歯以外に治療法がないと説明されたが、歯を保存する方法がないか相談したいとセカンドオピニオンにて来院。検査結果より左上6は歯根破折により保存不可能と診断。左上6番に対する治療としてインプラント治療を検討していたが、検査の結果左上8(親知らず)の移植が可能と診断し、患者様と相談の上治療を実施した。

治療費用

保険適応内

治療期間

約4か月

注意事項(主なリスク・副作用)

・抜歯処置を伴うため痛みや出血、腫れが出る可能性がある
・親知らずが生着しない可能性がある

治療概要

患者様は20歳代女性。他院にて左上6番を保存不可能と診断され、抜歯以外に治療の方法がないと診断されましたが、なんとか歯を保存できる方法はないか?とセカンドオピニオンにて当院に来院されました。この患者様は当院のHPを閲覧していただき、電車を乗り継いで80分かけて当院まで来院してくださいました。

今回の主訴である左上6番は虫歯により歯冠部が崩壊しており、歯髄は失活している状態でした。左上6番の虫歯は深部に達しており保存は非常に難しい状態でしたが、患者様としてはなんとか歯を歯損できないか試してほしいとの訴えがあったため、まずは虫歯を全て除去した上で歯の保存ができるかどうかを判断することとしました。治療を開始すると、術前の予想通り虫歯は深部に達しており、歯根分岐部(奥歯の歯根の股部分)に破折をみとめました。患者様には破折個所とその大きさを口腔内写真にて確認していただいた上で、やはりこの歯に関しては保存ができない状況であることを説明しました。その上で、失った歯を補う治療方法としてインプラント・ブリッジ・入れ歯と3つの方法について説明させていただきました。また、初診時のパノラマX線写真より、親知らずが残存していたため、抜歯適応の左上6番の代わりに親知らずを移植する方法についても提案させていただいたところ、親知らず(以下、移植歯と表記します)の移植が可能かどうか検査してみたいと要望されたため、3次元CTによりシミュレーションを行いました。

今回シミュレーションする際に考慮した点は以下になります。

1.移植歯の抜歯を容易に行えるか?

歯根の表面には歯根膜という組織があり、この歯根膜の状態が移植を成功させる際の鍵となります。そのため、抜歯をする際に歯根膜をなるべく傷つけない状態で抜歯ができるか?つまり移植歯の抜歯を容易に行えるかどうかを考慮します。

2.移植歯と抜歯適応歯の歯根の形が似ているかどうか?

3.移植歯と抜歯適応歯の歯根の長さや幅が似ているかどうか?

これら3点に着目すると共に、移植歯の歯根膜が口腔外で最良な状態でいられる時間は18分とされているため、移植歯の抜歯をしてから移植を完了するまでの時間もシミュレーションします。この他、基本的に年齢の制限はないとされていますが、文献のエビデンスより患者様の年齢が40歳以下であることが理想とされているため、この点についても考慮しました。

この患者様の場合、検査の結果、移植歯である親知らずと抜歯適応歯の形が似ていること、患者様は 20 歳代と比較的低年齢であったことから、親知らずの移植が可能と判断しました。 そして、患者様に提案させていただいた所、今回は保存不可能な歯の抜歯をしてその代わりとして親知らずを移植する方法で治療することとなりました。

※歯根が完成した親知らずの場合、一度抜歯を行うことで歯の内部の神経が壊死してしまうため、移植歯が完了してから3週間以内に根管処置が必要になります。

治療詳細

まずは左上6番の抜歯を行い、抜歯窩に病的な組織が残らないよう徹底的に掻把しました。その上で、前述したように一度抜歯された歯の歯根膜が口腔外で最良な状態でいられる時間は18分であり、出来れば親知らずを抜歯窩にスポッと1回で入る状態とするために、抜歯窩の鋭利な箇所をトリミングし、また親知らずが深めに、そして余裕をもって入るように抜歯窩を調整しました。次に移植歯である親知らずの抜歯を行いました。一般的に抜歯を行う際はヘーベルと呼ばれる器具を用いて歯を脱臼させてから、鉗子で掴んで抜歯しますが、なるべく歯根膜に傷をつけないために、鉗子のみを用いてゆっくりと歯を動かしながら抜歯を行いました。親知らずの抜歯後、口腔外で歯根膜の付着状態を確認し、移植した歯と対合歯が嚙み合わないよう調整しました。その後、無事に18分以内に親知らずを左上6番の抜歯窩に移植することができました。仕上げに周りの歯肉を巻き込んで糸で固定し、処置を終えました。
処置終了後の注意事項としては、移植した歯に負担をかけないために最低1か月は移植した歯で硬い物を嚙まないように説明させていただきました。

治療後の様子

患者様曰く、幸い抜歯による痛みや腫れはほとんど出ることがなかったようです。
また、移植処置を完了してから1週間は少し歯のぐらつきが残っていましたが、2週間目より根管治療を開始した際には歯のぐらつきが落ち着いているようでした。現在移植処置が完了してから1か月が経過しましたが、ぐらつきはほとんどなくなっていました。今後はX線で移植した歯の生着状態を確認しながら、4か月程度経過してから被せ物の治療に入っていく予定です。

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ドクターのコメント

歯を失った際の治療法としては一般的にインプラントやブリッジ、入れ歯といった方法が認知されていますが、今回の患者様のように条件が揃えば、口腔内で機能していない親知らずを移植することも治療法のオプションとしてご提案できる場合もあります。適応症であれば100%ご自身の歯で噛めるようになるため、患者様にとっては非常に有用な治療法であると考えます。
今後も患者様一人ひとりと向き合い、その患者様にとってベストな治療法をご提案できるよう知識と技術の研鑽に励みたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!

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