【症例】長年使用したブリッジの破折をインプラントで再構築|付着歯肉の改善(FGG)を併用した長期安定を追求する治療
こんにちは。千葉県柏市、イオンモール柏向かいにあるウィズ歯科クリニックの国際口腔インプラント学会認定医の小川です。
「奥歯のブリッジが古くなって痛み出し、いつの間にか反対側ばかりで噛むようになってしまった」というお悩みを抱えていらっしゃる方は少なくありません。
ブリッジは固定式の装置として優れていますが、長年使い続けるうちに支台となっている歯に大きな負担がかかり、トラブルを引き起こすことがあります。
今回は、右下奥歯のブリッジの痛みにお悩みだった60代女性の症例をご紹介します。
抜歯即時埋入によるインプラント治療をベースとしつつ、長期的な安定を見据えて遊離歯肉移植術(FGG)を組み合わせることで、将来にわたる健康な噛み合わせとセルフケアのしやすさを獲得したケースです。
◆カウンセリング・診断結果

初診時のお写真
患者様は60歳代の女性で、「右下の奥歯(5・6・7番)のブリッジで物を噛むと痛みがあり、ここ最近は痛みを避けて反対側ばかりで食事をしていた。
しっかり噛めるように診てほしい」という主訴で来院されました。
お口の中を拝見すると、今から20年前に装着されたブリッジが機能していましたが、近年になって強い痛みが出るようになり、咀嚼を避ける生活が続いていました。
精密検査(歯科用CTおよび口腔内スキャン)を行った結果、診断名は「右下5番・7番支台歯の歯根破折」でした。ブリッジを支えていた前後の歯の根に亀裂が入っており、残念ながら保存は不可能な状態でした。
患者様からは「できるだけ身体への負担や痛みは少なく(低侵襲に)治療したいが、今後また何十年と快適に使えるようにしっかり治したい」とのご希望をいただきました。
◆行った提案・治療内容:抜歯即時埋入と、長期安定のための付着歯肉移植術(FGG)
当院では、患者様の「低侵襲」というご要望に応えつつ、長期的な予後を見据えた以下の治療計画をご提案しました。
1. 右下5・7番の抜歯即時埋入とインプラントブリッジ計画
ダメージを受けた右下5番と7番を抜歯し、その場ですぐにインプラント体を埋入する「抜歯即時埋入」を行いました。
欠損した奥歯3本分(5・6・7番)をインプラントで支える「インプラントブリッジ」として再構築し、効率的な咀嚼機能の回復を図りました。
2. 【ここがポイント】遊離歯肉移植術(FGG)による付着歯肉の獲得
骨の量自体には問題がありませんでしたが、長年ブリッジが入っていた影響で、インプラント周囲の「付着歯肉(硬く引き締まった歯ぐき)」が非常に狭小化している状態でした。
このままでは、インプラントブリッジが入った後も食片圧入(食べ物が挟まること)が起きやすく、毎日のセルフケアが非常に困難になってインプラント周囲炎のリスクが高まることが予想されました。
そこで当院では、低侵襲な一次オペ(抜歯即時埋入)を行った後、二次オペとして「遊離歯肉移植術(FGG)」を行いました。上顎の口蓋から健康な歯ぐきを採取し、右下インプラント周囲に移植することで、清掃性の高い頑丈な付着歯肉をしっかりと再構築しました。
◆術後の経過・現在の様子
FGG(遊離歯肉移植術)を併用したことで、歯ぐきの厚みと幅が理想的な状態に改善され、毎日の歯磨きやフロスなどのセルフケアが極めて行いやすい環境が整いました。
【治療の流れと経過】
・初診・精密検査:痛みの原因特定とデジタルシミュレーション。
・一次オペ:右下5・7番の抜歯即時埋入を実施。

インプラント埋入後のお写真
・二次オペ:治癒経過を見ながら、付着歯肉を補うための遊離歯肉移植術(FGG)を実施。
・上部構造の装着:インプラントと骨の結合、歯ぐきの安定を確認した上で、最終的なインプラントブリッジを装着。
治療から3年が経過した現在でも、トラブルは一切起きていません。

インプラント上部構造取り付け後のお写真
患者様からは「最初は外科手術を重ねると聞いて少し不安もあったけれど、やって本当によかった。
今では右側の奥歯で何でもしっかり噛めるし、お手入れもしやすくて大満足です。本当にありがとう」と、大変嬉しいお言葉と感謝をいただきました。
◆この治療のリスク
・外科手術の回数・範囲:抜歯即時埋入に加え、歯ぐきの移植を行うため、通常のインプラント治療に比べて外科処置のステップ(移植元の治癒など)が増加します。
・術後のケアの重要性:移植した歯ぐきが定着し、インプラントを長期的に守るためには、ご自宅での丁寧なセルフケアと歯科医院での定期的なメンテナンスが不可欠です。
◆まとめ
インプラント治療では、ただインプラントを埋めるだけでなく、将来のお手入れのしやすさや歯ぐきの状態まで見据えることが大切です。
千葉県柏市のウィズ歯科クリニックには、国際口腔インプラント学会(ISOI)の専門医が5名在籍しています。CTや口腔内スキャンを活用し、一人ひとりのお口の状態に適した治療プランをご提案しています。
「10年後、20年後も自分の歯のようにおいしく食べられること」を目指し、治療に伴う患者様の負担にも配慮しながら、長期的なお口の健康を支えます。奥歯の痛みやブリッジのトラブルでお悩みの方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
技術・接遇の追求
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小川 泰宏
国際口腔インプラント学会認定医
口腔感染症予防外来認定医認定医
痛みの少ない治療・理解のしやすい説明・他院では不可能と言われた治療を実践できる治療技術を提供しています。
20年30年先を見据えた全顎的な歯科治療を行えるよう、日々知識と技術の研鑽と患者様サイドに立ったわかりやすい説明を心がけています。
